会計freeeの特長

クラウドって何?

会計事務所なら知っておきたいクラウド時代の新常識

はじめに

「クラウド(cloud = 雲)」という言葉、最近はインターネットやニュースだけでなく、テレビCMでもカジュアルに使われるようになりました。会計事務所の方は「マイナンバー対策クラウドで」というDMや広告を見たことがあるという方も多いと思います。一方、クラウドに対して、どんな特徴があるのか分かっていなかったり、何となく不安を抱いていたりしませんか?

クラウドという言葉も意味を技術的に説明できる必要はありませんが、クラウドで何ができるのかを正しく理解することで、会計事務所と顧問先は業務の効率化をすることができます。
今回の「会計事務所なら知っておきたい、クラウド時代の新常識」では、基礎編として「クラウドってまだよくわからないし、なんとなく不安」という会計事務所の方向けにクラウドの特徴やメリット、実際のサービス例をいくつかご紹介します。

クラウドとは?

突然ですが、皆さんは事業のお金はどうやって管理していますか?
事業内容や業界にも依りますが、最近ではキャッシュレス化が進み、事務所内には必要最小限の現金だけを持ち、残りは銀行に預けているという方がほとんどだと思います。

銀行預金

では、なぜ現金より預金で保有するのでしょうか?

手元に置いておくよりも預金利息の分だけ得するという経済的な理由ももちろんありますが、事業運営上(経理実務上)の理由で言うと「安全」で「便利」だからではないでしょうか?

1.安全

また、銀行を使うメリットの一つは安全性にあります。現金は手元に持っておくと常に盗難や災害など消失リスクが伴いますし、それらを避けるためには金庫を用意して管理するなど、費用も手間もかかってしまいます。しかし、銀行に預けることでこういったリスク やコストを減らすことができます(金融機関の破綻リスクは確かにありますが、監視システムも整備されているので、そう簡単には発生しません)。 ちなみに、今では一般的になっている給料の口座振込は、「三億円事件」がきっかけだったと言われています。

2.便利

現金での決済は相手と直接手渡しとなるため、単発の取引であれば面倒な作業がなく効率的です。しかし、事業の規模が大きくなり
・同じ取引先と定期的に取引をする
場合、毎回現金のやりとりをする手間がかかる上、現金がなくならないように管理が大変になります。また、
・複数の取引先と取引をする
・取引先が遠方に所在する
などの場合、そもそも現金で決済をすること自体が大変(現実的ではない)です。しかし、これらの取引であっても銀行を利用して、自分の口座に入金をしてもらったり、取引先の口座へ振込を行ったりすることで、決済を簡単に済ませることができます。

ここで話をクラウドに戻します。なぜ、手元現金と銀行預金の話をしていたかというと、「クラウド」は「データの銀行」と考えてもらうとイメージがしやすいからです(全ての特徴が一 致するというわけではありませんが)。
つまり、パソコン等で作成したデータは、そのままでは手元現金のような状態で、盗難や消失リスクが常に存在し、その場での操作性には優れていますが、複数人とデータ交換を行うのには適していません。
しかし、データを預けて利用することで、盗難や消失といったリスクや管理コストを減らすことができ、他の人とのデータ交換が容易になる。それが「クラウド」なのです。

個人向けクラウドサービス

お金を例にクラウドのイメージをお伝えしましたが、ここからは「クラウド(クラウド・コンピューティング)」が具体的にどのようなものか紹介していきます。

「クラウド」は「インターネットを経由してデータにアクセスして利用するサービス」のことです。これだけだと分かりにくいですが、実はクラウドサービスは個人向けを中心に既に普及しています。
身近な例だと以下のようなものがあります。
・メール(Gmail、hotmail、Yahoo!メール)やチャット(LINE)
・ストレージ(DropboxやGoogleDrive)
・SNS(youtubeやfacebook、twitter)

いずれも使ったことがない人もいるかもしれないので、念のため説明しておくと、これらはPCやモバイル(タブレットやスマートフォン)をインターネットに接続した状態でしか利用できません。最近ではインターネット環境が整備されてはいるものの、常にインターネットに繋 がっていなければならないものをあえて使うメリットは何でしょうか?例として、メールソフト 機能を紹介してみます。

インターネットに接続

DocomoやSoftbank のような通信会社が提供する携帯電話で利用するメール (@docomo.ne.jp や @softbank.ne.jp というメールアドレス )は「キャリアメール」と呼ばれ、 メールの送受信自体は通信会社の回線を通じて行われますが、メール機能は携帯電話内(ローカル)にあります。
そのため、その携帯電話端末がなければメール送信ができず、仮に故障や紛失すると、受信したメールは確認できなくなります。また、機種変更を行うと過去の送受信データを新しい端末へ移動することも基本的にはできません。

一方、Gmail や Hotmail などのメール(@gmail.com や @hotmail.co.jp というメールアドレ ス)は「インターネットメール」と呼ばれ、ブラウザ(インターネットを操作するためのソフト) を利用し、インターネットを経由してメールの送受信を行います。

そのため、インターネットに繫がっている状況であれば、パソコンからでもモバイル端末 (スマートフォンやタブレット)からでも利用することができます。パソコンやモバイルはあくまでブラウザを操作するための端末にすぎないため、それらが故障や盗難にあおうが機種変更を行おうが、メール機能ができなくなったり過去の送受信データが損なわれたりということがありません。これが「クラウド」です。

総務省の統計調査によると、スマートフォン利用者の約80%がクラウドメールやLINE等のチャットサービスの利用経験があるとされており、個人向けクラウドサービスは日常生活に普及しています。

企業向けクラウドサービス

個人向けで先行したクラウドサービスですが、近年では企業向けサービスもクラウドで提供されるようになっています。
クラウドサービスは安価で、
・デバイスを選ばず利用可能  Windows/Mac/タブレット/モバイル
・コラボレーションがしやすい  同時編集・権限管理
・常に最新版が利用できる  最新の技術を利用
・データ・セキュリティ  情報漏洩事由一位はハードの紛失
といった業務を効率化に進めるために必要な特徴があることから、大企業はもちろん、これまではシステム投資をする体力がなかった中小企業にも導入が進んでいます。

クラウドサービス一覧

クラウドサービス一覧

以下は総務省の「通信利用動向調査」のデータからの抜粋ですが、2011年から2013年の2年間で、クラウドサービスの利用率(全面利用+一部利用)は21.5%から33.0%と、150%以上増加していることがわかります。

クラウドサービスの利用率

クラウドサービスの利用率

しかし、日本とアメリカの企業でのクラウドサービス利用率を比較すると、日本での利用率はまだまだ高いとは言えません。また、大企業と中小企業の内訳をみると、日本の中小企業ではクラウドサービスの普及が遅れていることが分かります。

中小企業クラウドサービス 日米比

中小企業クラウドサービス 日米比

クラウドサービスの利用にブレーキをかけているものは何なのでしょうか?
続いてクラウドサービスを利用しない理由を確認してみます。

導入しない理由の内訳を 見てみると、第1位が「必要がない」で第4位が「メリットが分からない」となっており、未だに多くの中小企業ではクラウド化によりどのような変化が起こるのかイメージできていないことがわかります。また、2位 が「情報漏洩への不安」となっており、セキュリティへの不安が大きな要因であることがわかります。

クラウドサービスを利用しない理由

クラウドサービスを利用しない理由

まず、セキュリティに関しては、先のクラウドは「データの銀行」という話の通り、むしろデータ保存という観点では安全です。現に、情報漏洩事故の原因を見てみると、データ流出の一番の原因は、管理や誤操作等の人為的なミスとなっており、流出している媒体も、データよりも紙やUSB機器等の物理的なものが多いことがわかります。
銀行自体ではなく、キャッシュカードや通帳の盗難・紛失、詐欺など外部要因にあるのと同じです。

情報漏洩理由 内訳

情報漏洩理由 内訳

情報漏洩事由 媒体別

情報漏洩事由 媒体別

また、まだクラウドがよくわからない方は、今後も中小企業でIT(クラウド)化が進むことは間違いないので、「現状で問題ないから大丈夫」ではなく、「将来的いつでも対応できる」ように、導入のための準備は行っておきましょう。「何から始めればよいの?」という方は、まずは
・クラウドFAX
・グループウェア
などのサービスがクラウドの利点を感じやすく、手軽に始められるのでお薦めです。

クラウドFAX

所属税理士会からの連絡機能として会計事務所にとって必須なFAXにもクラウドサービスがあるのをご存知でしょうか?
FAXは紙の証憑類をそのまま送る場合に優れ、手書きの情報をそのまま送ることができるため、人間味があるツールです。しかし、専用機を利用してPC等で作成したデータをFAX でやりとりするためには、一度そのデータを紙に出力しなければならず、デジタルな業務時にはあまり優れた情報伝達手段ではありません。

また、首都圏ではFAXを日常的に使うことがなく、所属税理士会の連絡のためだけに購入やリースをする会計事務所も増えており、その上、FAX機を利用するためには通信費や電気代、用紙やトナー代もかかるため経済的なツールとも言えません。しかし、クラウドFAXを利用すると、PDFのような電子データをそのままFAXとして送信することができる上、専用機が不要なため各種費用も抑えられます。 もちろん、FAXのDMを受信しても、用紙やトナーが消費されることがないので、わざわざ腹をたてる必要もありません。

グループウェア

グループウェアとは、同じ組織で業務情報の共有することを目的として
・コミュニケーション(メール、カレンダー、連絡先)
・書類作成(文書、表計算、プレゼン(MicorsofrのOfficeのようなもの))
・ストレージ(データ保存)
といった、事業を進める上で必要なアプリがセットとなったソフトです。

現金出納帳

全てのサービスや機能を紹介するわけにもいかないので、今回は Google Apps for work のスプレッドシート(表計算)を紹介します。これは会計事務所でも多くの方が日常的に利用する Microsoft Excelに相当する機能で、筆者も日常的に利用し、実際に税理士法人の方とコミュニケーションでも利用しています。
文字で説明するより、実際に体験してみたほうがクラウドサービスを実感しやすいので、 ネット接続したPCから
現金出納帳:https://goo.gl/LSXSCQ
へアクセスしてみましょう。

上のような表計算画面が表示されると思うので、実際に文字や数字、関数の入力を行ってみてください。続いて、別の人と一緒に、もしくは別の端末を用意して、同時にこのスプレッドシートにアクセスしてみてください。 いかがでしょうか?一人で触ると「機能が少ないExcel」と思ってしまいますが、複数人または複数端末でログインすると、同じスプレッドシートを同時に編集・確認することができることに驚かれると思います。(今回はどなたでも操作できる公開設定をしていますが、公開範囲や権限を絞ることが可能です)
これによって、具体的にどのようなことができるかというと、まず、「いつでもどこでも」作業を進めることが可能になります。現金出納帳の例でいうと、これまでは顧客が現金出納帳を入力するためには、手元にExcelファイルが入ったPCを用意してデータ入力をする必要がありました。しかし、帳面がインターネットを経由してアクセスできるので、領収書をもらったその場でスマートフォンから入力することが可能になります。

また、「誰とでも」作業を進めることができます。会計事務所が顧問先に現金出納帳の記入を依頼している場合、顧問先が書類やデータ等を送ってくれなければ、そのデータを確認することができませんでした。しかし、データが常に共有できるGoogleスプレッドシートでは、データ共有のための作業を行う必要がありません。

クラウドサービス

このように企業がクラウドサービスを使うメリットの一つとして同じデータを共有することで、「いつでも、どこでも、誰とでも」作業することが可能となり、データのやりとりのためわざわざ紙に打ち出したり、それを別の誰かが再度手入力をするなどという、作業の無駄を省くことができます。結果、顧客も会計事務所も業務効率化が可能になります。

さいごに

クラウドFAXとグループウェアの例を紹介しましたが、最近ではこれら以外の業務分野でも多くの企業向けクラウドサービスが提供されるようになっています。会計事務所に関わるところでは会計ソフトや給与計算のソフトもクラウドで提供されるようになっており、このようなクラウドサービスを適切に活用していくことで、業務効率化できるだけでなく、ラニングコストを減らすことができます。

また、セキュリティもクラウドだから危険ということは決してありません。 「不要(何か分からない)」や「セキュリティに不安」という理由で、これまで敬遠していた方も多いとは思いますが、紹介したようなサービスから気軽に導入を行ってみてはいかがでしょうか?

会計freeeの特長一覧

クラウドサービスの特長

クラウドサービスの特長

クラウドサービスは、従来は利用者が手元のコンピュータで利用していたデータやソフトウェアを、ネットワーク経由で、サービスとして利用者に提供するものです。利用者側が最低限の環境(PCや携帯情報端末などのクライアント、その上で動くWebブラウザ、インターネット接続環境など)を用意することで、どの端末からでも、さまざまなサービスを利用することができます。

2017.11.15 もっと読む
クラウドって何?

クラウドって何?

「クラウド(cloud = 雲)」という言葉、最近はインターネットやニュースだけでなく、テレビCMでもカジュアルに使われるようになりました。会計事務所の方は「マイナンバー対策クラウドで」というDMや広告を見たことがあるという方も多いと思います。一方、クラウドに対して、どんな特徴があるのか分かっていなかったり、何となく不安を抱いていたりしませんか?

2017.11.15 もっと読む