税務調査対策を学ぶ

調査前に修正申告を出す意味

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私は個人的に、税務調査の「事前対策」というのは好きではないのですが、事前通知後に最低限やるべきことは、調査対象年分の申告内容を見直すことです。 その中で明らかな誤りが見つかった場合は、調査初日までに修正申告を提出することです。

これはもちろん、調査初日前までであれば過少申告加算税が課されないからです。(事業年度によっては5%の加算税)

さて、そもそも理解を間違っている方が多いのですが、調査初日前までに修正申告を提出するということは、その税務調査においては、当初申告ではなく、修正申告を対象とした調査ということになります。

(1)当初申告:所得100

(2)(調査前の自主)修正申告:1500

(3)(調査による)修正申告の勧奨:160

(2)において発生した増差所得×税率=本税には過少申告加算税が課されません。

一方で、税務調査は(1)ではなく(2)に対して実施されることになりますので、(3)となっても、調査による増差税額は10×税率部分です。

あくまでも、事前通知時の申告内容ではなく、調査時直近の申告内容に基づいて調査の結果が出るということです。

また、調査前の修正申告が一般的になったので(一般的になったからこそ、5%の加算税の規定ができたわけですが)、さすがに最近は減りましたが、調査前に修正申告を提出すると、「取下げ」を依頼してくる調査官もいます。

修正申告の取下げまで言わなくても、露骨に態度を悪くする調査官も多いです。ただ、この点は気にするべきではありません。

私が実際に税理士から聞いた話は下記です。

 ○事前通知後・調査前に顧問先と打合せ

 ○その中で明らかな雑収入計上漏れが発覚

 ○税理士は自身の経験から、「事前に修正申告をすると、調査官が嫌がって調査をきつくされる」と顧問先に説明し、事前に修正申告を提出しなかった

 ○調査で雑収入計上漏れを指摘された

 ○顧問先は、事前に修正申告していれば加算税が課されないという事実を調査官から聞いて知った

 ○税理士と顧問先がモメて、雑収入漏れにかかる加算税を税理士が負担することになり、その後顧問契約が解除となった

このようなケースを考えると、国税に気を使う前に、顧問先の税負担を軽減するという当たり前のことを優先させるべきであることに気付くはずです。

特に今は、国税通則法が改正され、調査前の修正申告にかかる加算税5%が設定されたことが大々的になっています。

調査前の修正申告は、当然にすべき行為として捉えなおす必要があるのです。

※本ページの情報は、2017年12月14日時点での情報になります。

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Profile

久保憂希也

元国税調査官 株式会社 InspireConsulting代表取締役 株式会社 KACHIEL代表取締役社長
1995年
慶應義塾大学経済学部入学
2001年
国税庁入庁 東京国税局配属 飲食店・医療業・士業・芸能人・風俗等の税務調査を担当する その他外国人課税事務、確定申告関連事務を担当
2008年
株式会社InspireConsulting設立、 税務調査のコンサルタントとして活動し、数千名の税理士に税務調査の正しい対応方法を教えている
2016年
株式会社 トラスタックス(現KACHIEL)と経営統合 現在、 株式会社 KACHIEL代表取締役社長

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