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重加算税が賦課される4つのデメリット

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重加算税を賦課したい調査官。
もちろん、自身の評価を上げるためですが、
本来は重加算税でもないのに、重加算税と 指摘されて適正に反論できないことが問題です。

調査官が重加算税を課すためによくいう言葉は、

「重加算税を受け入れたら調査は終わりますよ」 (他の部分はもう見ませんよ)

「(繰欠があって)本税がでないので 重加算税になっても納付額はありません」


という誘い(?)です。


さて、税務調査において、重加算税を賦課される デメリットは大きく4つあります。

これら全てのデメリットを顧問先に伝えて、 それでも顧問先が重加算税を受け入れる、 というのであればまだしも、
これらを伝えずに 重加算税を安易に受け入れるのは相当な問題です。

下記、4つのデメリットを列挙しますが、
(1)(2)は現時点での金銭的デメリット、
(3)(4)は将来にわたるデメリットです。


(1)加算税が高くなる
過少申告加算税であれば10%で済むものが、 重加算税となれば35%となり、
本税(増差税額)に対して 25%の加算税額が余計に課されることになります。


(2)延滞税が高くなる
修正申告となっても、重加算税を賦課されない (通常の)場合、
延滞税の計算は「計算期間の特例」 が適用されており、
結果として延滞税は 原則計算より少額で済んでいます。

「No.9205 延滞税について」
3 延滞税の計算期間の特例
https://www.nta.go.jp/taxanswer/osirase/9205.htm

裏を返せば、重加算税になれば延滞税の 特例計算がされないため高くなります。

※上記URLにある記載の通り、「偽りその他不正の行為 により国税を免れた場合等を除き、次の場合には 一定の期間を延滞税の計算期間に含めないという特例が あります。」が正しい理解で、「偽りその他不正の行為」 と「重加算税」は異なる定義なのですが、実務上は 重加算税賦課⇒延滞税が原則計算となる(高くなる) とされています。

3年分の修正申告+重加算税であれば、延滞税はさほど 高額にはなりませんが、
7年分の場合、原則計算をすると 延滞税はかなり高額になりますので要注意です。


(3)将来の調査頻度が上がる

相続の調査であれば基本的に関係ありませんが、 法人・個人事業主の調査であれば、
重加算税を 賦課された事績があるだけで、将来的な 調査の頻度は確実に上がります。

国税は「過去の重加算税賦課事績がある」 ということで、調査選定対象にしており、
その周期を「3〜5年」とするとしています。


(4)重加算税の加重措置がある

平成28年度税制改正により、重加算税の 加重措置が設けられることになりました。

重加算税を賦課された者が、過去5年以内に、 その税目で税務調査に基づく無申告加算税または
重加算税を課されている場合には、さらに10%の 加重措置を受けることになったものです。

平成29年1月1日以降に申告期限が到来する 国税から適用になりますが、
今年受けた(受ける) 調査であれば、該当する申告が存在するケースも 多いはずです。
なお、(3)と(4)において共通に言えることは、
【重加算税が課税された事績があること】
であって、賦課された額は関係ありません。

冒頭のように、欠損・繰欠等があって 増差所得が発生しても税額が発生しない ケースであっても、
(3)と(4)の デメリット・リスクは将来的に発生します。

重加算税を容易に受け入れてはならない 本当の理由をぜひ知っておいてください。

※本ページの情報は、2017年11月16日時点での情報になります。

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Profile

久保憂希也

元国税調査官 株式会社 InspireConsulting代表取締役 株式会社 KACHIEL代表取締役社長
1995年
慶應義塾大学経済学部入学
2001年
国税庁入庁 東京国税局配属 飲食店・医療業・士業・芸能人・風俗等の税務調査を担当する その他外国人課税事務、確定申告関連事務を担当
2008年
株式会社InspireConsulting設立、 税務調査のコンサルタントとして活動し、数千名の税理士に税務調査の正しい対応方法を教えている
2016年
株式会社 トラスタックス(現KACHIEL)と経営統合 現在、 株式会社 KACHIEL代表取締役社長

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