税務調査対策を学ぶ

請願権を利用する

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私は、税務調査でモメた場合に文書を提出することをみなさんに推奨しています。

私が書く文書は「抗弁書」という題名にしていますが、
何もタイトルが重要なのではありません。文書として提出することが大事なのです。
その文書の「効力」について解説しましょう。まずは、その「法的」効力からです。

一般的にはあまり知られていない権利として「請願権」というものが存在します。

憲法第16条
何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。
この憲法の条文を受けて、「請願法」なる法律が存在します。 全6条しかない法律ですので、v ぜひ目を通していただきたいと思います。

請願法
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S22/S22HO013.html

ここにある通り、「請願」とは。

・文書でしなければならない
・請願の文書は受理される
・請願内容は(いったん)検討される

という効力のあるものです。

何が言いたいかというと、税務調査などで 国税に対する見解があるとするなら、
文書を書いて提出すると「請願権の行使」 として取り扱われて効果大、ということです。
税務調査の現場で大切なことは 「調査官に面倒だと思われる」ことです。

調査官は、税務調査を行う上で 対面している相手が「楽勝」と思えば それに乗じてくる傾向があります。

逆に言えば、「面倒だ」と思われれば 税務調査の対応はより簡単になってきます。
税務調査は基本的に口頭で行われるがために、

やり取りが煩雑になる
納税者の言い分が受け入れられない可能性が高い
という傾向がありますが、文書にすれば

・論点が明確になる
・(口頭とは違い)その文書は国税内で検討の対象となる(統括官・審理を含めて)
・調査官が面倒だと感じる

という効力があります。
調査官が請願権や、請願法なる法律を知っている可能性は低いのですが、
それでも文書にして主張・反論を提出すれば口頭での主張・反論よりも効果があるのは間違いない事実です。
調査官が請願権・請願法を知らない場合は、それを合わせて伝えることも重要です。
調査官も組織に帰属するサラリーマンです。
調査現場での納税者の主張が、上司である統括官にすべて報告・共有されているわけではありません。

むしろ都合の悪い話ほど、上に上がっていない可能性の方が高いのです。

一方で、文書を提出すれば、それを税務署内で共有しない調査官はいません。

すべての税務調査で文書を作成すべきだとは思いません。
そんなことをしていれば面倒ですし、時間のムダになることも多いでしょう。

しかし、モメた場合に調査官と口頭でひたすらやり取りするのもムダでしょう。

そういう時こそ、あえて文書を書いて税務署に提出すべきなのです。

国税に文書を提出したことがあればその効力はわかるはずです。
ぜひ、文書提出の効力を知っていただきたいのです。

※本ページの情報は、2017年11月8日時点での情報になります。

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Profile

久保憂希也

元国税調査官 株式会社 InspireConsulting代表取締役 株式会社 KACHIEL代表取締役社長
1995年
慶應義塾大学経済学部入学
2001年
国税庁入庁 東京国税局配属 飲食店・医療業・士業・芸能人・風俗等の税務調査を担当する その他外国人課税事務、確定申告関連事務を担当
2008年
株式会社InspireConsulting設立、 税務調査のコンサルタントとして活動し、数千名の税理士に税務調査の正しい対応方法を教えている
2016年
株式会社 トラスタックス(現KACHIEL)と経営統合 現在、 株式会社 KACHIEL代表取締役社長

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