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税務調査対策を学ぶ

外注費を給与と否認指摘されないために

クラウドサービスと従来のサービスの違い
先日、税理士会の支部研修で講師をさせていただきましたが、
休憩時間中に受けた質問が、税務調査において「外注費を給与と指摘されている」というものでした。

今回の記事は、外注費を給与と指摘されない、
もしくは指摘されても適正に反論できるようにしておくべき対策の解説をします。

外注費か給与か、という問題は論点が多数あり、かつそれらの要素はすべて総合勘案ですから、
何をすれば・していれば、絶対に外注費になるというものではありません。

一方で、税務調査においては、外注費を給与と否認するには税務署側に立証責任がありますから、
調査官は【外形的】【形式的】な要素から否認の根拠を探してくることになるのが通常です。
(税務は実質・実態が課税要件ですが、税務調査ではわかりやすい証拠・根拠が必要です)

例えば、外注費として支払っている相手方の申告。

本来であれば、相手方の申告の有無、もしくは事業所得で申告しているかどうかは、
こちら側の外注費か給与かとの判断基準には連動しないはずですが、
調査官はこういう外形的要素・基準を求めてきます。

外注費を給与と指摘されないためには相手方が、
・確定申告をしている
・事業所得で申告している
・開業・青色の届出を提出していることがベター
という状況であれば否認されにくくなりますが、これはあくまでも相手方の状況です。
確定申告をしているかどうかを確認できる、その内容を検閲できるわけではないでしょう。

ここで大事になるのが、外注の相手方に対して「確定申告する必要性がある」旨を通知しているか
という事実認定の話になります。

「あなたは外注先であって従業員ではない(給与ではない)ので確定申告が必要です」
という旨を相手方に、書面もしくはメール等で明確に伝えていれば、
少なくともこちらは外注として認識していたことが明らかになります。

もちろん、外注と主張するためには「業務委託契約書」など契約書があった方がいいですし、
その内容に、上記確定申告を要する旨の記載があった方がより良い状況を作出できます。

契約書があるから外注、というわけでありませんが、この点も同じで外形・形式を満たした方が有利です。

また、外注と主張するためには、「請求書」を発行してもらうべきでしょう。

通常の取引先であれば、毎月請求書が発行されており、その内容通りに支払いがされているわけですから、
従業員ではないと主張するためには、他の取引先と同様のことをしておく方がいいです。

くだらない議論と言われそうですが・・・
外注への支払日程・サイトを従業員と同じにせず、取引先と同じにすべきです。

例えば、
・従業員への給与支払:末締の翌10日払い
・取引先への支払:末締の翌末日払い
となっている場合、あくまでも外注ですから、末日払いにしている方が、
外注費である(給与ではない)と主張しやすくなります。

外形・形式基準だからといってバカにせず、否認(指摘)されにくいようにしておきましょう。

※本ページの情報は、2017年10月19日時点での情報になります。

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Profile

久保憂希也

元国税調査官 株式会社 InspireConsulting代表取締役 株式会社 KACHIEL代表取締役社長
1995年
慶應義塾大学経済学部入学
2001年
国税庁入庁 東京国税局配属 飲食店・医療業・士業・芸能人・風俗等の税務調査を担当する その他外国人課税事務、確定申告関連事務を担当
2008年
株式会社InspireConsulting設立、 税務調査のコンサルタントとして活動し、数千名の税理士に税務調査の正しい対応方法を教えている
2016年
株式会社 トラスタックス(現KACHIEL)と経営統合 現在、 株式会社 KACHIEL代表取締役社長

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