業界の未来が見えてくる 認定アドバイザー50人の◯◯

freee認定アドバイザー50人の人事労務

クラウドサービスと従来のサービスの違い

今後、テクノロジーによって人事労務業務も効率化されることが予想されるが、この変化は新たなビジネスチャンスにつながるのだろうか。アンケート結果からは、積極的にビジネス展開するか、別の本業にフォーカスするか――
事務所の方針が二分されていく未来が見えてきた。

「取り組み方針」編

人事労務には積極的に関わりたくない!

会計事務所は人事労務に対して、どのような関わり方をしようとしているのか。
まずは、実際に受託している業務をうかがったところ、ほとんどの事務所では「年末調整申告」と「給与計算代行」の2大業務しか対応していないことがわかる。その2大業務への取り組み方針も8割弱の事務所は「顧問先から依頼された場合のみ受託」しているだけであり、「積極的に取り組んでいる」事務所は2割強と、人事労務業務に対する会計事務所業界の圧倒的に消極的な姿勢が見えてくる。
これについては、年末調整以外は会計事務所の本業ではないという見方もできる。人事労務まわりにはさまざまな業務(助成金等のお金に関係する分野から労務管理や採用などまで)があり、得手不得手やリソースの問題で対応できないといった理由で、依頼されても引き受けられないこともあるだろう。
そういった場合には、4分の3の事務所は社労士と協業しているものの、会計事務所が社労士と一体となってサービスを提供しているのは2割。半数以上の事務所は「知り合いの社労士の紹介」にとどまっており、さらに2割弱の事務所は受託を断っているというのが現場のリアルな対応のようだ。やはり、ほとんどの会計事務所にとって、人事労務業務は“関与したくない”仕事ということだろう。

「課題」編

人事労務業務はとにかく割に合わない……

それでは業務のどのあたりに課題を感じているのだろうか。本業である年末調整申告業務については、「顧問先とのやり取りが大変」「報酬が低い/業務量に見合わない」との回答がやや多かったが、突出した課題があるというよりは、業務全般の煩雑さに問題があるようだ。
この業務では、給与明細の申告ソフトへの転記や顧問先とのコミュニケーションに手間がかかるうえ、慎重な取り扱いが求められるマイナンバーや個人情報の管理も負担となる。さらには業務が年末に偏っており、人員の確保、割り当てに苦慮しているようすも垣間見える。
給与計算業務については、勤怠管理の方法が顧問先によってバラバラなうえ、依然として紙からの集計作業も多く、効率化が図れていない現状が浮き彫りになった。給与計算を代行しない場合の年末調整にも言えるが、業務フローの一部だけを受託しているのが問題と言えよう。
これらの課題を解決するには、申告ソフトと連携した給与計算ソフトの導入が考えられるが、その障壁について尋ねてみたところ「金額面で折り合いがつかない」という回答が圧倒的に多かった。freeeではこの価格面の課題を解決するために、アドバイザー向けに「給与実務効率化プラン」の提供を開始している。

「展望」編

業務負担軽減後の対応は二極化

現状の課題が解決した場合の対応は明確に二極化した。あくまでも本業である会計・税務業務にフォーカスすると考える事務所が5割弱、積極的に人事労務業務サービスを拡大していこうと考える事務所が5割強である。なお、後者の事務所のうち、年末調整と給与計算という2大業務のみで拡大を図ろうとするのは18%に留まった。
この結果から見えてくるのは、「テクノロジーの進化によって既存の業務に変革が起きるときは、自社のコアバリューを見直すよいきっかけになり得る」ということだ。そして、その答えは必ずしも1つではない。
とはいえ、今後はスモールビジネスにも人事労務領域のニーズが増えてくるだろう。それを踏まえて、会計・税務領域のみへのフォーカスを選択する事務所も、適切な社労士と協力しながら顧問先のニーズに応えられるよう検討しておくべきかもしれない。

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