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日本はエストニアに続けるか?電子政府化が見せる未来像

クラウドサービスと従来のサービスの違い
電子政府の最先端として世界中の注目を集めるエストニア。北欧に位置し、面積は4.5万㎢と日本の約9分の1、人口約132万人の小国です(2017年1月時点)。この国が電子政府化を進めた要因は2つ。1つは、1,500以上の島があり人口密度が低い国土のなかでも、公的機関や民間事業のサービスを全国民に届けるための策として。もう1つはロシアからの侵略対策です。エストニアは1991年にソ連から独立しましたが、今もロシアを警戒しています。しかし、たとえ領土が占領されても国家のデータとサービスを世界中のサーバに分散しておけば国家自体が占領されることはないと考えたのです。

エストニアで使われているデジタルIDカードは、15歳以上の国民全員に発行されます。保険証、免許証、EU圏内ならパスポート代わりになります。さらに選挙や法人登記、電子署名、交通機関の運賃支払いにも使え、これさえ持っていれば生活が成り立つという徹底ぶり。

電子政府化の恩恵は外国人にも及んでいます。「e-Residency(電子居住)」=外国人がエストニアの電子住民となる制度により、国外から企業の設立・運営、納税手続きなどを直接おこなうことができます。2016年10月時点で、現地法人化された日系企業が約50社存在します。

日本における電子政府化の取り組みの1つ、マイナンバー制度の導入は2016年でした。しかし、さほど浸透していないのは個人情報流出の恐れと情報連携の甘さが原因です。

日本のマイナンバーは他人に秘密にするべきIDとして配布され、生活が政府に監視されることが危惧されています。また、縦割り行政をしてきた日本では「ワンストップ・ワンスオンリー」原則を掲げながらも、なかなか連携されていないのが現状です。対してエストニアではアクセスログの記録を徹底し、不審なアクセスがあれば政府に調査を依頼できます。さらに「X-Road」というプラットフォームを介して、官民合わせて1,400以上ものサービスが提供されています。

今やエストニアで電子化されていない情報は、「結婚、離婚、不動産売却」の3つのみ。日本の電子政府化はいつエストニア並みになるのでしょうか。

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