トップページ 読んで学ぶ フィンテック最前線 海外動向レポート 一企業が国民の行動を支配する!?アリペイのデータ集約戦略
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一企業が国民の行動を支配する!?アリペイのデータ集約戦略

クラウドサービスと従来のサービスの違い
1999年に中国で生まれ、すさまじい勢いで急成長している「アリババ」。今や中国のネット通販最大手として君臨し、ユーザー数は約5.2億人とも言われています(2017年6月時点)。

アリババの提供する電子決済サービス「アリペイ」は、ECサイトでの購入のほか、提供するアプリを通じてタクシー・ホテルの予約、チケット購入、公共料金支払いなどにも対応。今や露店の店先にも決済用のQRコードが張られており、中国国民には必須のアプリとなっています。

アリババのサービスで今もっとも注目されるのが、2015年に始まった信用スコアサービス「芝麻信用」(セサミ・クレジット、アリババの子会社アントフィナンシャルが運営)です。アリペイでの支払い履歴のほか、職歴、住宅・自動車の保有状況、SNS上の交友関係、中国政府が公開する個人の学歴情報・公共料金の支払い記録などをもとに、AIが350~950点のスコアを自動算出します。ユーザーがアプリ経由で個人情報を提供すればするほど、スコアがアップするとも言われています。

このスコアが高いと、シェアサービス・宿泊サービス・病院での診察などのデポジットの免除、出国手続きの簡素化、アリペイ経由なら瞬時にローン審査が終わるなどのメリットを享受できます。スコアが低いと交通機関の利用が制限されるなどのデメリットがあり、就職や結婚にも影響するとの危惧もあるほどです。


実際に中国では、毎月更新される信用スコアを上げるために、公共料金をきちんと支払う、信用力の高い友人と交流するなど、品行方正なふるまいを心がける人までいるくらいです。一企業が個人の行動を左右するほどの影響力を持っていることには賛否両論がありますが、アリババは2036年には20億人にサービスを提供すると謳っています。「データ」をいかに集めるか。それが企業の強さを表す社会になっているのです。

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