freeeのバックオフィスの実態

freeeの資金調達

freeeの資金調達

武地 健太 freee 株式会社 CFO /事業開発部長(2016年12月時点)
古都長岡京の出身。両親ともに税理士の会計一家に育つ。京都大学卒業後、あずさ監査法人大阪事務所で会計監査や上場支援に携わる。27歳で東京進出し、ボストン・コンサルティング・グループ入社。マネージャーとして、製造業・IT業を中心に、新規事業開発・中期経営計画策定・M&A支援等のコンサルティングに従事する傍ら、新人育成に情熱を傾ける。2016年にfreeeに参画。“経済活動のログ”として会計の可能性をトコトン追求していきたい。

freeeが累計96億円となる、33.5億円の追加増資を実施

資金調達の背景

freeeはこれまで、スモールビジネスの皆様へ価値を提供するために「クラウド会計ソフトfreee」、「給与計算ソフト freee」、「会社設立 freee」、「開業 freee」そして新たに「申告 freee」というプロダクトを揃えて来ました。そしてここから先、人工知能(AI)を活用したサービスの開発・強化と「クラウドERP」としての機能強化を図り、より一層freeeの提供価値を高めるために今回、資金調達を行いました。 2015年までは、ベンチャー企業への投資、という大きな流れがありましたが、2016年下半期は一般的に市況がよくありませんでした。また、会社の規模が以前と比べ大きくなってきていたため、そもそもベンチャーキャピタルが出すフェーズなのかどうかという議論になる投資家もいらっしゃいました。つまり、ベンチャーキャピタルによっては「freeeはもうベンチャーではないよね」という位置づけになることもありました。そのような中で、トヨタ自動車と三井住友銀行を主要投資家とする未来創生ファンドを筆頭に、DCM Ventures、SBIインベストメント、Salesforce Ventures、日商エレクトロニクス株式会社、日本生命保険相互会社、ちばぎんキャピタル株式会社、Japan Co-Investの合計8つのファンドと事業会社に今回の増資の引受先となっていただきました。

freee 資金調達の歴史

資金調達によりfreeeが注力する3分野

具体的に言えば、1つはAIを活用したサービスの開発・強化です。もともとfreeeでは「自動で経理」機能にAIを搭載していますが、今後は、経営分析・未来予測をAIが行い経営者の意思決定をアシストする機能や、作業ミス等をAIが自動検知し修正を提案する機能などを実装していきたいと考えています。2つ目は、中堅規模法人向けのサービスの強化です。2016年5月に発表した「ビジネスプラン」により、「クラウド会計ソフトfreee」は、スモールビジネスを営む皆様の細かなニーズにこれまで以上にお応えできるようになりました。今後は、我々のサービスコンセプトであり、最大の特徴である「クラウドERP」をサービス上でより快適に実感していただけるよう、「クラウド会計ソフトfreee」での内部統制・監査対応、「給与計算freee」で労務管理をはじめとするHRtech機能の開発及び営業体制強化を進めていきます。そして3つ目に、会計事務所様向けの機能およびサポート体制の強化です。全国の会計事務所様が顧問先様のリアルタイム経営パートナーとして経営支援を行うことができるよう、経営分析やリスク分析機能の開発を進めていきます。また、地方支社の増設と人員増強を行うことで、会計事務所様と伴走できる体制をより強化していこうとしています。

資金調達までの道のり

実際に資金調達をするにあたっては、投資家に対してプレゼンテーションを行うことになります。プレゼンの素材、テンプレートにとくに決まりはないのですが、通常投資家の方は、自社の投資委員会で発表しないといけないので、そのための材料を提供する必要があります。もちろん会社紹介や会社の戦略の資料、数値面での事業計画は必須、あとはどのような条件で資金調達したいかの条件をセットでお渡しすることになります。 プレゼンにおいて重要なのはストーリーです。今回は現在評価されている3つのポイント、つまり①クラウド会計/給与計算ソフト市場における高いシェア、②会計事務所の皆様とのパートナーシップの進展、③弊社の収益性、についてきちんと客観的な視点から、過去・現在・未来の数字の裏付けを添付して説明を行いました。 勿論大前提として、俗に言う資本政策も十分に検討する必要があります。今回freeeは新株発行を伴うエクイティファイナンスで資金調達を行いましたが、当然銀行からの資金の借り入れという選択肢もあります。それぞれの会社のビジネスモデルや事業フェーズによって、どちらがあっているか違うはずです。たとえば、freeeの場合であれば今は投資フェーズです。その段階で返済期限があり、ましてやベンチャーで信用力が大きくない状況では銀行等から資金を借り入れるデットファイナンスは向きません。どちらかといえばエクイティファイナンスのほうが向いています。しかし一方でエクイティファイナンスは株主からの要求が厳しい。利回りもそれこそ何十パーセントの世界です。もしキャッシュフローが安定しているビジネス、設備投資はそんなにかからず少しの運転資金があれば確実にまわるようなビジネスで、実績がすでにあるのであれば、ベンチャー企業であってもデットのほうがいいケースもあります。まずは、そのビジネスモデルにあった調達方法の選択が非常に重要だと思います。

資金調達フェーズにも存在する会計事務所様の付加価値

武地 健太

税理士・会計士様も、ご自分でビジネスされる一国一城の主です。ですから、資金調達はご自身にとっても顧問先様のビジネスにとっても、非常に重要なイベントだと思います。 仮に顧問先様が新規に資金調達しようとなったときには、まず、プレゼンテーションに向けてのストーリー作りと、それを数値化した3年ないし5年の事業計画を作ることになります。これは非常に根気のいる作業になりますし、数値周りの話になるので、会計事務所の方がアドバイスされたり、いっしょに作ると非常に大きな付加価値になると思います。プレゼンは、基本的にはアピールですからストーリーが大事です。投資家は客観的に見るので、先ほど話したように、客観的にアピールされて嬉しいポイントを訴求する必要があります。現在、明確に伸びている部分があり、それが安定したビジネスで、さらには、この先、派生していくビジネスも見えているといったストーリーであれば、大きな興味を持ってもらえると思います。

ただ、ビジネス当事者は思い入れが強すぎるため、自分がアピールポイントだと思っていても、一歩引いて客観的な第三者から見ると疑問符がつくものはよくあります。freeeの今回の資金調達では、幸いわたくしの社歴が長くないこともあって、第三者の視点も持ちながら社長の佐々木と何度も何度も議論しました。しかし、小規模な会社の場合はそうもいかないことも多いと思います。このようなときこそ、顧問先様のビジネスをよく知っている会計事務所の方の客観的な視点、アドバイスが真価を発揮するはずです。

freeeのバックオフィスの実態

3年でユーザー数60万を獲得した「freee流マーケティング手法!」とは?

3年でユーザー数60万を獲得した「freee流マーケティング手法!」とは?

会計freeeはリリースしてから約3年で、60万事業所ものユーザー様にご利用いただくまでに成長しました。その成長の立役者となったfreeeのマーケティングチームですが、ユーザーのことを徹底的に理解し、ユーザー1人1人が本当に欲しいと思っている情報を、ありとあらゆる手段を使って届けることを基礎としています。

2017.02.02 もっと読む
freeeの資金調達

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freeeが累計96億円となる、33.5億円の追加増資を実施 資金調達の背景 freeeはこれまで、スモールビジネスの皆様へ価値を提供するために「クラウド会計ソフトfreee」、「給与計算ソフト freee」、「会社設立 freee」、「開業 freee」そして新たに「申告 freee」というプロダクトを揃えて来ました。そしてここから先、人工知能(AI)を活用したサービスの開発・強化と「クラウドERP」としての機能強化を図り、より一層freeeの提供価値を高めるために今回、資金調達を行いました。

2017.01.18 もっと読む
freeeの経理事情

freeeの経理事情

「freee株式会社」自身はfreeeをこう使っている! 「freee」の開発・販売を行っている我々「freee 株式会社」自身も、もちろんfreeeを使って社内のバックオフィス業務を効率化しています。250名ほどいる従業員のうち、200名以上をメンバー招待。各部門がfreeeを通じて業務を行うことで、裏側で帳簿が出来上がる仕組みを構築しています。そこで今回、弊社で経理担当を行っている高橋に、freee の具体的な活用方法を聞きました。

2016.08.11 もっと読む