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認定アドバイザーインタビュー

経理にも「時短」の発想を! 女性起業家の心強い味方

経理にも「時短」の発想を! 女性起業家の心強い味方
Advisor Interview

「新しいものを自分で触ってみるのが大好き」という酒井さん。その旺盛な好奇心と、自らのバックボーンに基づいた志が小規模ビジネス市場で新たな顧客ニーズを生み出している。

同じ業務量で事務所の売上が1.5倍に!

東京は戸越銀座商店街近くで生まれ育った酒井さん。子どものころは商店街が格好の遊び場で、店のおじちゃん、おばちゃんたちとは顔なじみ。豆腐屋さんやお肉屋さんでおしゃべりしながら買い物したかと思えば、塀をよじ登って怒られたりと、活発な幼少期を過ごしてきた。

「私は商店街に育てられたようなものなので、そういう方たちに恩返ししていきたいんです」というのが、酒井さんが税理士になった理由の1つだ。では、もう1つの理由はというと……。

「私の家は工場を経営しており、父が2代目社長でした。その父が信頼する人の裏書手形にサインをしてしまい、それが原因で廃業してしまったんです。中小企業の2代目ともなると、お金の知識がない方も多いものですが、まさに私の父がそう。そういう方たちを助けられるのが税理士だと考え、志しました」

まずは会計事務所に勤め、将来中小企業の役に立つために、中小企業だけでなく大企業の監査も進んでおこなった。そして2014年、第2子の出産を機に念願の税理士事務所を開設。今は3人の子どもを育てながら、freeeを活用して家庭との両立に努めている。

「じつは最初、freeeはエンドユーザー向けのソフトで、会計事務所向けのものではないと思っていたんです。ところが、freeeを導入していくうちに、“これはお客様の役に立つぞ”と思うようになりました。実際、私の顧問先が一番望んでいる業務改善に非常に役立っているうえ、私自身の業務も大幅に削減できています」

例えば、顧問先の帳簿のチェック業務は1割ほどで済むようになり、自身の事務所の経理も5~7割ほど削減。これまでは売上が上がれば業務量も増えていたところ、同じ仕事量で売上が1.5倍ほど伸ばせているそうだ。こうして空いた時間は、「顧問先訪問に命をかけている」と語る酒井さんにとって、紙の数字だけでは気づかなかったナマの現場の情報を得るための貴重な時間になっている。

「数字を見ているだけでは、机上の空論になりかねません。その企業の業務でどこに滞りがあるかを知るためには、足を運んで現場を見るのが一番の近道。私は業務改善のエキスパートでありたいと思っていますが、そうしてこそ各企業の問題点を洗い出せ、建設的な改善案を出すことができると考えています」

目標は女性起業家100人の支援!「経理の時短」がキーワード

では、酒井さんは実際にどのようにして事務所を運営しているのだろうか。今、酒井さんが推し進めているのが、起業家や個人事業主を主な対象にしたコンサルティングだ。内容は1人で経理ができる流れを作るために、3か月の3ステップでfreeeを導入していくというもの。
まず、最初の1か月はfreeeを導入する前のお金の流れを整理する期間。銀行口座が1つでいいのか2つ必要なのか、クレジットカードが何枚必要なのか等を洗い出し、不要なものは解約、決済方法も業務フローに合った形で決めていく。このステップを経なければfreeeの導入はしないという。

それができたら、次の1か月で請求書の作り方など実際のfreeeの使い方をレクチャー。最後の1か月が、試算表や損益レポートを使った業績の見方の指導だ。

「最近、女性起業家の前でセミナーする機会をいただくことが多いんですが、そこで気づいたのが、家計とビジネスのお金がごちゃごちゃなこと。自分も主婦なので、“お財布を2つ持ちたくない”という気持ちはよく分かります。であれば、キャッシュレスにしていけばいいんです。そうすればfreeeとの相乗効果で、まさに“時短で経理”が可能になります」

スキャンアプリや専用スキャナ、freeeを連携させて、領収書はすぐにスキャン。請求書もfreeeで作成すれば、ネットバンキングとの同期で入金・売上チェックも必要ない。まだ会社の規模が小さいスタートアップに非常に適した手法だ。

「目標は、3年で女性起業家100人を支援すること。女性起業家はいわば自分と同じ立場の方。支援にも力が入ります」

酒井麻子 氏

「得意」と「得意」の掛け合わせで 顧客のニーズにとことん応える

酒井さんは、「こうしてお金の流れが分かるようになると、ビジネスのどこに問題があるのかも見えるようになる」という。そもそものビジネスモデルに問題があったり、マンパワーに頼りすぎていたり……。それが見えるようになって感動した経営者からは、導入コンサルティング後に税理士の顧問替えを依頼されるケースも少なくないという。

「得意を活かしつつ、ITも活かすという形で現在の収益モデルにたどり着いた」と酒井さんは語るが、まさに「業務効率改善」と新しいサービスの掛け合わせが、酒井さんの強みになっている。

「これからの税理士は税務だけでなく、ITやウェブ、新しい技術を知っていてこそ本領が発揮できるのではないでしょうか。時短が可能なところは新しいテクノロジーをどんどん導入し、コンサル部分で企業の異変を察知する。単に正しく処理できるというだけでなく、企業の成長を本当にサポートできてこそ、AI以上の税理士の役目が果たせると思います」

Company Profile

酒井税理士事務所

東京都江戸川区船堀3丁目5-24 朝日信用金庫船堀センタービル610号室
03-6808-3641
商業高校を卒業後、会計事務所に13年間勤務し、個人から上場企業まで幅広く関与。第1子出産から育児休暇を経て職場復帰するも、子育てをしながら働くことの難しさを実感。第2子出産後、子育てとの両立を図り、真の中小企業の支えとなれる道を選ぼうと独立。現在では、法人顧問と併せて、女性起業家向けにセミナーや会計ソフト導入コンサルティングをおこなっている。

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